買ったときにもらうアレコレを整理する 手軽な第一歩で心地よい空間を手に入れる
買ったときにもらう「アレコレ」が家で増えていませんか？
新しい服を買ったときについてくる予備のボタンや小さな布切れ、電化製品の取扱説明書、家具の組み立て説明書と予備のネジなど、私たちは日々の暮らしの中で、買ったときにもらうたくさんの小さなモノに出会います。これらは一つひとつは小さくても、いつの間にか引き出しの隅や棚の片隅に溜まっていき、気づけば置き場所に困るほどの量になっていることは珍しくありません。
これらの「アレコレ」が増えてしまうと、本当に必要なものを探すのに時間がかかったり、収納スペースを圧迫したりするだけでなく、家全体がなんとなく雑然とした印象になり、心の片隅に小さな負担となって残ることもあります。どこから手をつけて良いか分からず、つい後回しにしてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これらの小さなモノを少し整理するだけで、驚くほど空間と心にゆとりが生まれます。今回は、買ったときにもらうアレコレの整理を、初心者の方でも手軽に始められる第一歩としてご紹介します。
なぜ「アレコレ」は増えやすいのでしょうか？
買ったときにもらう小さなモノが溜まりやすいのは、いくつかの理由があります。
- 「いつか使うかも」という心理: 予備のボタンや布地は、もしもの時のためにとっておこうと考えがちです。取扱説明書も、必要になったときに困るからと捨てられずにいることが多いでしょう。
- 「小さくて邪魔にならない」という錯覚: 一つひとつは小さいため、増えていってもすぐに問題にならないと感じ、意識が向きにくい傾向があります。
- 置き場所が定まっていない: 特定の収納場所が決まっていないため、とりあえず空いている場所に置いてしまい、散らばってしまうことがあります。
- 手放す判断が難しい: 捨てて良いものなのか、保管しておくべきなのか、判断に迷うことがあります。
これらの理由から、ついつい後回しにされ、気づけばかなりの量になってしまうのです。
整理の第一歩：小さな範囲から始めてみる
溜まってしまった「アレコレ」を前にすると、「全部やるのは大変そうだ」と感じてしまうかもしれません。そこで大切になるのが、「小さな範囲から始める」というアプローチです。家全体を一度に片付けようとするのではなく、まずは引き出し一つ、あるいは特定の種類のモノだけ、というように範囲を限定してみましょう。
例えば、以下のような場所やモノから始めてみるのはいかがでしょうか。
- リビングの引き出し一つ: 取扱説明書や保証書、どこで使うか分からない小さな部品などが混ざっていませんか？
- 裁縫箱の隅: 服を買ったときについてくる予備ボタンや小さな布地が溜まっていませんか？
- 書類をまとめたファイルボックスの一部: 古い家電や家具の取扱説明書がそのままになっていませんか？
このように、まずは「ここだけ」と決めて取り組むことで、心理的なハードルがぐっと下がります。
具体的な整理の手順
対象を決めたら、以下の手順で整理を進めてみましょう。
- 集める: 対象と決めた場所にある「アレコレ」を、全て一箇所に集めてみましょう。実際に手に取ってみることで、思っていた以上の量に気づくかもしれません。
- 分類する: 集めたモノを「必要なもの」「不要なもの」「判断に迷うもの」の3つに分類します。
- 必要なもの: 今現在使っている製品の取扱説明書や保証書、予備がないと困るかもしれない部品など。
- 不要なもの: 既に手放した製品の取扱説明書、明らかに使う予定のない予備ボタンや布地、期限切れの保証書、何に使うか全く分からない小さな部品など。
- 判断に迷うもの: 必要になるかもしれないけれど、すぐに決められないもの。
- 判断する際の考え方: 特に判断に迷うものについては、以下の点を考えてみましょう。
- 情報へのアクセス: 取扱説明書は、多くの場合メーカーのウェブサイトでPDFとして公開されています。すぐにネットで確認できる情報であれば、紙の現物を保管しておく必要性は低いかもしれません。
- 使用頻度と必要性: 予備のボタンや布地は、実際に使用する機会はどれくらいあるでしょうか。どうしても必要になった場合、代用できるものはないでしょうか。
- 保管コスト: そのモノを保管するために、どれくらいのスペースが必要でしょうか。そのスペースは、他のもっと大切なモノのために使えた方が良いかもしれません。
- 手放す: 不要と判断したモノは、自治体のルールに従って適切に手放しましょう。
- 保管する: 必要と判断したモノは、分かりやすい場所に保管します。取扱説明書や保証書はファイルボックスにまとめたり、クリアファイルに入れたりすると探しやすくなります。予備ボタンなどは小さなケースにまとめて、裁縫道具と一緒に置いておくと良いでしょう。デジタル化できるものはデータとして保存することも有効です。
- 「判断に迷うもの」の扱い: すぐに判断できないものは、「保留ボックス」などを作り、一定期間（例えば3ヶ月や半年）保管しておきます。その期間一度も手に取らなかったり、必要にならなかったりすれば、手放すことを検討しても良いでしょう。
モノを減らすことで得られる体験価値
これらの小さな「アレコレ」を整理し、手放すことで、さまざまな良い体験が得られます。
- 探し物の時間が減る: 「あの取扱説明書どこだっけ？」「この部品は何の予備だっけ？」と探し回るストレスから解放されます。必要なものがすぐに取り出せるようになり、時間を有効に使えるようになります。
- 収納スペースにゆとりが生まれる: 小さなモノでも集まればかなりの場所を取ります。整理することで収納に余裕ができ、他の必要なモノをスッキリと収めることができるようになります。
- 掃除がしやすくなる: モノが減ることで、掃除の際にいちいちモノをどかす手間が減り、拭き掃除などもスムーズに行えるようになります。
- 心が軽くなる: 雑然とした状態は、無意識のうちに心に負担をかけます。整理された空間は、見た目のスッキリさだけでなく、心にも清々しさとゆとりをもたらしてくれます。「いつかやらなきゃ」と思っていたことが片付く達成感も得られるでしょう。
- モノを管理する意識が高まる: 一度整理をすることで、次に何か新しいモノを迎える際にも、「これは本当に必要か」「どこに保管するか」を考える習慣が身につきます。
まとめ
買ったときにもらう小さなモノの整理は、一見地味に感じられるかもしれませんが、手軽に始められる上に、暮らしに確実な変化をもたらしてくれる素晴らしい第一歩です。完璧に全てを整理する必要はありません。まずは引き出し一つ、あるいは特定の種類のモノから始めてみましょう。
モノを減らすことの目的は、単に捨てることではなく、探し物の時間を減らしたり、心穏やかに過ごせる空間を作ったりと、より質の高い「体験」を得ることです。今回ご紹介した整理を通して、あなたの暮らしが少しでも心地よいものになることを願っています。