引き出し一つから始める 文房具のモノを減らす心地よいステップ
意外と溜まる文房具、どこから手をつければ良いでしょうか
デスク周りや棚の引き出しを開けたとき、使っていないペンや古くなったノート、大量のクリップなどが目に入り、ため息をつくことはありませんか。文房具は日常生活で頻繁に使うものですが、少しずつ増えていき、気づけば引き出しやペン立てがあふれている、という状況は少なくありません。
「いつか使うかもしれない」「まだ使えるから」と取っておいたものが場所を取り、本当に必要なものがすぐに見つからなくなる。こうした状況は、作業効率を下げるだけでなく、視覚的な情報過多によって集中力を妨げ、心の中にも小さな負担となって蓄積されます。
片付けたい気持ちはあるけれど、どこから手をつければ良いか分からない、忙しくてまとまった時間が取れないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、家全体のモノを一度に整理しようとすると、大変な作業のように思えてしまいます。しかし、モノを減らすことによる変化は、大きな場所だけでなく、ごく小さなスペースからでも十分に感じ取ることができます。
小さな一歩:引き出し一つに焦点を当てる
文房具の整理を始めるにあたって、まずおすすめしたいのは「引き出し一つ」や「ペン立て一つ」のように、範囲を限定することです。全体を見るのではなく、小さなスペースに焦点を当てることで、無理なく、短時間で作業を終えることができます。この「小さな成功体験」が、その後の片付けへのモチベーションにつながります。
今回は、デスクやリビングにある「文房具が入った引き出し一つ」に絞って整理を進める方法をご紹介します。
文房具のモノを減らす具体的なステップ
引き出し一つの文房具整理は、以下のシンプルなステップで進めることができます。
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引き出しの中身を全て出す まず、対象となる引き出しの中に入っているものを全て、デスクの上や床に広げます。何がどのくらいあるのか、全体量を把握することが第一歩です。この時、「こんなものが入っていたのか」と驚くこともあるかもしれません。
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アイテムごとに分類する 出したものを、ペンの種類、ノート、ハサミ、クリップ、付箋、のり、定規、その他小物、といった具合に種類ごとにまとめます。同じ種類のものが複数あることに気づくはずです。
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「使うもの」「使わないもの」に分ける 分類したアイテムを一つずつ手に取り、「これは今使っているか」「今後使う予定はあるか」という視点で判断します。
- 「使うもの」: 日常的に使っているもの、あるいは近いうちに使う予定が明確なもの。
- 「使わないもの」:
- インクが出ないペンや折れた定規など、壊れているもの。
- 複数あるのに一つしか使わない同じ種類のアイテム(例:黒いボールペンが何本もある)。
- 一年以上使っていないもの。
- 何のために取ってあるのか分からないもの。 「いつか使うかも」という考えを手放すのが難しい場合もありますが、「本当に必要か」「なくても困らないか」という問いかけをしてみてください。
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「使わないもの」をどうするか決める 「使わないもの」に分類されたものについて、以下のいずれかの方法で対処します。
- 手放す: 壊れているもの、不要なものは自治体のルールに従って処分します。
- 他の場所に移す: デスクでは使わないけれど別の場所(例:非常用持ち出し袋、工具箱)で使うものは、適切な場所へ移動します。
- まとめておく: 寄付できるもの、譲れるものなどは、一時的にまとめておきます。
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「使うもの」を引き出しに戻す 残った「使うもの」を、引き出しに戻します。必要であれば、仕切りケースなどを活用して、定位置を決めるとより整理された状態を保ちやすくなります。ペンの種類やサイズごとに分けて収納すると、使い勝手が良くなります。
モノを減らすことで得られる心地よい体験
文房具の引き出し一つを整理するだけでも、様々な良い変化を感じられます。
- 探し物の時間が減る: 必要なペンやハサミがすぐに見つかるようになり、「あれがない、どこへ行った」と探す無駄な時間がなくなります。
- 作業に集中できる: デスク周りがスッキリすることで、視覚的なノイズが減り、目の前の作業に集中しやすくなります。
- 掃除が楽になる: モノが少ないので、引き出しの中やデスク周りの埃をさっと拭くことができます。
- 心が軽くなる: ゴチャゴチャした場所が一つ減ることで、小さな達成感とともに心がスッキリするのを感じられるでしょう。管理するモノが減ることは、そのまま思考の負担が減ることにもつながります。
- 自分の持ち物を把握できる: 何をどれだけ持っているのかを把握することで、無駄な買い物を防ぎ、本当に必要なものだけを選んで使う習慣が身につきます。
小さな一歩から始める心地よい暮らし
文房具の引き出し一つという小さな範囲でも、モノを減らし整えることで得られる心地よさや効率性の向上は、想像以上に大きなものです。この成功体験は、他の場所の片付けへの意欲にもつながります。
完璧を目指す必要はありません。まずは「インクが出ないペンだけを処分する」「同じ種類のものは一番新しいものだけを残す」といった、さらに小さなアクションから始めてみることも良いでしょう。大切なのは、「どこから手をつければ」という悩みを行動に変えてみる、その一歩を踏み出すことです。
小さなスペースが整うたびに、暮らしの中の「小さなストレス」が減り、心が軽くなるのを実感できるはずです。ぜひ、文房具の引き出しから、心地よい変化を始めてみてください。