本棚スッキリ 書籍を減らして心地よい空間を作る最初のステップ
本は私たちの知識や感動を与えてくれる大切なものですが、気づくと本棚から溢れかえり、部屋を圧迫してしまうことがあります。手に取る機会が減ってしまった本も、なんとなく捨てられずにそのままになっているという方もいらっしゃるかもしれません。どこから手をつけて良いか分からず、整理を先延ばしにしてしまうというお悩みも耳にします。
モノとしての本を減らすことで得られる体験
書籍を整理することは、単に物理的なスペースを確保するだけではありません。そこには、より豊かな体験が生まれる可能性があります。
まず、本棚が整理されると、読みたい本をすぐに探し出せるようになります。これは、日々の小さなストレスを減らし、読書へスムーズに入れるようになるということです。また、本当に大切な本や、これから読みたい本だけが並ぶ本棚は、見るたびに心地よさや静かな満足感を与えてくれるでしょう。
さらに、本棚にスペースができることで、部屋全体がスッキリとした印象になり、掃除もしやすくなります。探し物をする時間が減り、物理的なゆとりは心のゆとりにも繋がります。本当に必要で、自分にとって価値のある本だけを持つことで、情報過多な時代において、自分が何を大切にしたいのか、何に時間を使いたいのかを再確認するきっかけにもなり得ます。
書籍整理の「最初のステップ」を踏み出す
「本が多すぎて、どこから手をつければいいか分からない」と感じる方も少なくないと思います。その気持ちは非常によく分かります。だからこそ、まずは「小さな一歩」から始めてみましょう。
いきなり本棚全体に手をつける必要はありません。例えば、次のような小さな範囲から始めてみるのはいかがでしょうか。
- 本棚の「一段だけ」:特定の棚一段分だけと決めて取り組んでみます。
- 「読み終わった本」のコーナー:読み終わった本の中でも、特に印象に残らなかったものだけを見てみます。
- 特定のジャンル:例えば「昔の雑誌」や「もう読まない参考書」など、手に取る可能性が低いジャンルから始めます。
- 「平積みになっている本」:とりあえず置いてある本の山から見ていきます。
範囲を限定することで、「これだけならできそう」という気持ちになり、行動に移しやすくなります。
手放すかどうかの判断基準
いざ手に取ってみると、「いつか読むかもしれない」「高かったから」など、様々な思いがよぎるかもしれません。判断に迷ったときには、いくつかの基準を設けてみると整理が進みやすくなります。
例えば、次のような基準を参考にしてみてください。
- 「今後一年以内に、本当に読み返すか」:積読本であれば「本当に読む意欲があるか」、読み終わった本であれば「再読する可能性が高いか」を冷静に考えてみます。
- 「持っていることで、本当に心地よさや役に立つ体験が得られているか」:ただ持っているだけで、物理的なスペースを占め、探す時のノイズになっている本はないでしょうか。
- 「情報として必要なら、他の手段(図書館、電子書籍、ネット検索)で代替できるか」:常に手元に置く必要がない情報源かもしれません。
- 「純粋に『好き』だと思えるか、見ると良い気持ちになるか」:いわゆる「ときめき」のような、感情的な基準も大切です。
もちろん、全ての基準に厳密に従う必要はありません。あくまで、手放すかどうかの判断を助けるためのヒントとして活用してみてください。どうしても迷う本は、「保留ボックス」などを一時的に設けて、一定期間(例えば3ヶ月)置いておくという方法もあります。期間後に見返してみて、その間に一度も手に取らなかったものは手放すというルールにするのも効果的です。
手放した後に生まれるゆとり
少しずつでも本を減らしていくと、物理的な変化と共に、気持ちの変化も感じられるはずです。本棚に隙間ができると、掃除がしやすくなるだけでなく、お気に入りの小物を飾ったり、植物を置いたりと、心地よい空間作りの楽しみも生まれます。
また、本当に読むべき本、読みたい本だけが残ることで、読書への集中力が高まることもあります。探し物のストレスから解放され、ゆったりと本と向き合える時間が増えるかもしれません。
書籍整理は、一度に完璧を目指す必要はありません。まずは「一段だけ」「15分だけ」など、できる範囲の小さな一歩から始めてみてください。その小さな行動が、きっと心地よい空間と心のゆとり、そして豊かな読書体験へと繋がっていくはずです。
ぜひ、あなたにとっての「最初のステップ」を見つけて、実践してみてはいかがでしょうか。